親知らずは抜いたほうがいい?痛み・腫れ・治療方法を歯科医師が解説

この記事の公開日: 2025年1月16日

親知らずの治療法完全解説
歯科医師|インプラント専門医

この記事の著者

こばやし歯科クリニック|歯学博士 小林孝誌

東京歯科大学大学院卒業し博士号を取得。インプラント専門医を持ち、地元の日立市で地域に貢献できるように研鑽を積む。口腔ケアやホワイトニングが好きで実体験を皆様にお届け。

「奥歯が痛くなる時がある」「顔が腫れて熱っぽい」「歯が痛くて頭も痛くなってきた」――そのようなお悩みは、親知らずが原因となっているかもしれません。親知らずは人によって生え方や症状の現れ方がさまざまであるため、ご自身の状況をどのように判断し、対応すればよいのか迷われる方も少なくありません。この記事では、親知らずの症状や状態に応じた対処法について、分かりやすく丁寧に解説していきます。

この記事のまとめ

目次

親知らずとは?抜くべきなのか、放置でよいのか

ここでは親知らずの特徴から、親知らずを抜歯するべきか、抜歯をしない方がいいのかを解説してきます。また、親知らずが痛いけど、抜歯をしたくない人向けの対症療法も説明していきます。

1.親知らずの特徴

親知らずは、通常、20代にかけて生え始める最後の永久歯です。上下左右に1本ずつ、合計4本が一般的ですが、個人差があり全てが生えるわけではありません。最近の子供は親知らずがない方も多くなってきています。奥の歯であるため、スペース不足になりやすく、斜めに生えることや部分的に埋まってしまう場合も見受けられます。特に日本人は顔が小さいため、ほとんどのケースで斜めに生えることが多いです。

2.親知らずを抜いたほうがよいケース(虫歯・痛み・炎症など)

親知らずが虫歯になったり、隣の歯に悪影響を及ぼしたり、痛みや炎症、腫れなどの症状が出ている場合は、抜歯を検討する必要があります。感染が広がるリスクや、他の歯の健康を守るためにも、早めに歯医者での診察を受けることが大切です。

3.親知らずを抜かなくてもよいケース(正常に生えている場合など)

一方、親知らずが正常に生えていたり、骨の中に完全に埋まっている場合、歯並びや噛み合わせに影響を与えていない場合は、無理に抜く必要はありません。定期的な検診で状態を確認し、特に問題がなければそのまま経過観察をすることが可能です。

4.親知らずが痛いけど、抜歯をしたくない場合

一般的に親知らずが痛い場合は、虫歯もしくは歯茎の炎症のどちらかになります。虫歯の痛みの場合は、虫歯の治療を行えば痛みが抑えられますが、生え方によっては虫歯治療が難しいことがあります。また、歯茎の炎症の場合は、抗生剤を投与すれば一時的に痛みを抑えることができます。ただし、再発することも多く、痛みを繰り返す場合は、抜歯を行った方が解決することが多いです。

親知らずを抜く際の痛みと腫れについて

1.治療中・治療後の痛みについて

治療中は局所麻酔によりほとんど痛みを感じません。抜歯後は、痛みの程度は個人差がありますが、一般的には抜歯後3~5日間続くことが多く、処方された鎮痛剤を適切に使用することで痛みを最小限に抑えることが可能です。

2.抜歯後の腫れや出血はどのくらい続くのか

抜歯直後は出血が見られる場合がありますが、通常は数時間から1日以内に収まります。一方、腫れは治療後2~3日程度続くことが多く、最大1週間ほどで徐々に改善していくケースが一般的です。

3.痛みや腫れを最小限に抑える方法(薬や生活上の注意点)

・処方された鎮痛剤や抗炎症薬は、指示通りに服用して痛みと腫れをコントロールします。
・冷却パックを用いて、抜歯後の初期24~48時間は患部を冷やすことで腫れを軽減できます。
・安静を保ち、激しい運動や熱い食事、喫煙は控えることが重要です。
・もし痛みや腫れ、出血が予想以上に続く場合は、早めに歯科医師に相談してください。

親知らずの抜歯治療の流れと治療時間

1.治療前の検査とカウンセリング

まずは、レントゲン撮影・CT撮影などの検査で、親知らずの位置や周囲の歯、骨の状態を確認します。これにより、抜歯が必要かどうかや治療方法が明らかになります。その後、治療内容、リスク、抜歯後のケアなどについて丁寧に説明し、患者さんのご希望や健康状態を踏まえて最適な治療計画を立てます。

2.抜歯の具体的な流れ(麻酔・抜歯・縫合など)

治療当日は、まず局所麻酔を使用して痛みを抑えます。麻酔が十分に効いた後、親知らずを周囲の組織から慎重に分離し、抜歯を進めます。場合によっては、歯を分割して取り出すこともあります。抜歯後は、出血を抑えるための処置や、必要に応じて傷口を縫合する処置を行います。

3.治療にかかるおおよその時間

抜歯手術自体は、歯の状態により異なりますが、簡単なもので最短5分、親知らずが真横に生えている場合でも30分程度で終了します。検査や麻酔、術後の説明などを含めても1時間程度で治療を終えることができます。

親知らずの治療にかかる費用や保険適用について

1.親知らず抜歯の保険適用範囲

通常、親知らずが痛みや炎症、感染などの健康上の問題を引き起こしている場合、その抜歯治療は健康保険の適用対象となります。しかし、全身麻酔や静脈内鎮静法などを併用して行う場合は、保険が適用されず全額自己負担となるケースが多いので、事前に歯科医師とご相談ください。

2.治療費のおおよその目安(自己負担の例)

保険適用の場合、1本あたりの抜歯費用は薬や検査費用を含め、概ね数千円から1万円前後の自己負担となることが一般的です。CT撮影を行った場合や、親知らずの難易度によって費用が前後することが多いです。

3.医療費控除について

1年間に支払った医療費が一定額を超えると、所得税や住民税の控除が受けられる医療費控除の対象になります。親知らず抜歯の費用もこの控除対象となりますので、治療費の領収書をしっかり保管し、確定申告時に活用することをおすすめします。税務署や専門家に相談すると、より正確なアドバイスが得られます。