冷たいものがしみるのは知覚過敏?むし歯との見分け方・治し方を日立市の歯科医師が解説

この記事の公開日: 2026年7月27日

冷たい飲み物で歯がしみる女性(知覚過敏のイメージ)
歯科医師|インプラント専門医

この記事の著者

こばやし歯科クリニック|歯学博士 小林孝誌

東京歯科大学大学院卒業し博士号を取得。インプラント専門医を持ち、地元の日立市で地域に貢献できるように研鑽を積む。口腔ケアやホワイトニングが好きで実体験を皆様にお届け。

「アイスを食べたら奥歯にキーンときた」「冷たい麦茶を飲むと一瞬しみる」——夏になると、こうしたお悩みでご来院される方が増えます。

冷たいものがしみる症状の多くは知覚過敏(象牙質知覚過敏症)によるものですが、なかにはむし歯や歯のひび割れ、歯周病が隠れていることもあります。見分け方を知っておくと、受診の目安がはっきりします。

この記事では、知覚過敏が起こるしくみ、むし歯との見分け方、ご自宅でできる対処法、歯科医院での治療について、茨城県日立市のこばやし歯科クリニックが解説します。

この記事のまとめ

目次

冷たいものがしみるのはなぜ?知覚過敏が起こるしくみ

知覚過敏(象牙質知覚過敏症)とは、むし歯や神経の炎症がないのに、冷たいもの・風・歯ブラシなどの刺激で歯が一瞬「キーン」としみる症状のことです。日本では成人の3人に1人程度が経験するといわれる、ごく身近な症状です。

歯の表面は「エナメル質」という体の中でもっとも硬い組織に覆われ、その内側には「象牙質(ぞうげしつ)」があります。象牙質には象牙細管(ぞうげさいかん)と呼ばれる無数の細い管が通っていて、その先は歯の神経(歯髄)につながっています。

歯ぐきが下がったり、エナメル質がすり減ったりして象牙質がむき出しになると、冷たい刺激が象牙細管の中の液体を動かし、その動きが神経に伝わって「キーン」という一瞬の痛みが生じます。これが知覚過敏(象牙質知覚過敏症)です。

ここで大切なのは、知覚過敏はむし歯がなくても起こるということ。「穴はあいていないのにしみる」というのは、決して珍しいことではありません。

夏に「しみる」が増える3つの理由

夏になると、冷たいものがしみるというご相談が増えます。理由は主に次の3つです。
  1. 冷たいものを口にする回数が増える:アイス、かき氷、氷入りの飲み物など、歯が冷たい刺激に触れる機会そのものが増えます。
  2. 酸性の飲みもので歯の表面が弱くなる:スポーツドリンク・炭酸飲料・柑橘系のジュースなどをこまめに飲んでいると、歯の表面が溶けやすい状態(酸蝕)になり、しみやすくなります。
  3. 寝苦しさや疲れによる食いしばり:睡眠の質が落ちると、就寝中の歯ぎしり・食いしばりが強くなることがあります。歯の根元に力が集中し、しみる引き金になります。
2つめについては、夏のスポーツドリンクにご注意!熱中症対策の落とし穴とむし歯リスクでも詳しく解説しています。

知覚過敏とむし歯の見分け方

もっとも簡単な見分け方は「痛みが続く時間」です。刺激を受けた瞬間だけしみて数秒でおさまるなら知覚過敏、ジーンと痛みが続いたり悪化していくならむし歯の可能性が高くなります。

「しみる」といっても、原因によって症状の出方は異なります。おおまかな目安は次のとおりです。
比べるポイント知覚過敏むし歯
痛みの長さ刺激を受けた瞬間だけ。数秒でおさまるジーンと続く。だんだん強くなる
しみるもの冷たいもの、風、歯ブラシの毛先冷たいものに加え、甘いもの・熱いものも
見た目穴は見えない。歯の根元がくさび状にへこむことがある黒い点や穴、詰め物のまわりの変色
何もしないときほとんど痛まない夜間や安静時にズキズキ痛むことがある
経過良くなったり悪くなったりを繰り返す放置すると必ず進行する
ただし、これはあくまで目安です。実際には歯のひび割れ、歯周病による歯ぐきの下がり、詰め物・かぶせ物の劣化など、見た目だけでは判断できない原因が隠れていることもあります。自己判断で様子を見続けず、気になるときは一度ご相談ください。

知覚過敏を招きやすい習慣・クセ

次のような習慣に心当たりはありませんか。どれも象牙質がむき出しになる原因になります。
  • 力を入れすぎたブラッシング:硬い歯ブラシでゴシゴシ磨くと、歯の根元がすり減り、歯ぐきも下がります。
  • 歯ぎしり・食いしばり:歯の根元に強い力が集中し、くさび状にえぐれることがあります。
  • 酸性の飲食物をだらだらとる:口の中が酸性の時間が長くなり、エナメル質が溶けやすくなります。
  • 酸っぱいものを口にした直後の歯みがき:歯の表面がやわらかくなっているタイミングで磨くと、余計にすり減ります。水でうがいをして少し時間をおいてから磨きましょう。
  • 歯周病:歯ぐきが下がって歯の根元が露出し、しみやすくなります。(歯周病の治し方はこちら
  • ホワイトニング後の一時的な変化:施術後にしみることがありますが、多くは短期間でおさまります。

今日からできるセルフケア

やわらかい歯ブラシでやさしく磨く女性
軽度の知覚過敏は、毎日のケアを見直すだけで落ち着くことが少なくありません。
  • 知覚過敏用の歯みがき粉を使う:硝酸カリウムや乳酸アルミニウムなどが配合されたものを、2〜4週間は続けて使ってみてください。1〜2回では効果を実感しにくい成分です。
  • やわらかめの歯ブラシで、軽い力で磨く:ペンを持つように握り、毛先が広がらない程度の力で十分です。
  • フッ素入りの歯みがき粉を活用する:歯の再石灰化を助け、刺激が伝わりにくい状態をつくります。
  • 冷たいものを一気に流し込まない:氷をガリガリ噛むのも歯には大きな負担です。
  • 日中の食いしばりに気づいたら、上下の歯を離す:本来、上下の歯は会話や食事以外では触れていません。
しみるからといって、その部分を磨かないのは逆効果です。汚れが残ると歯ぐきがさらに下がり、症状が悪化します。やさしく、ていねいに磨いてください。

歯科医院で行う知覚過敏の治療

セルフケアで改善しない場合や、症状が強い場合は歯科医院での処置をおすすめします。当院では、原因に応じて次のような対応を行います。
  • 知覚過敏抑制剤の塗布:露出した象牙細管をふさぎ、刺激が伝わりにくくします。
  • 高濃度フッ化物の塗布:歯の表面を強化し、しみにくい状態に近づけます。
  • 露出した根元をコーティング:削れた部分を歯科用の樹脂で覆います。
  • かみ合わせの調整:特定の歯に力が集中している場合、わずかに削って負担を分散します。
  • ナイトガード(マウスピース):就寝中の歯ぎしり・食いしばりから歯を守ります。
  • 歯周病の治療:歯ぐきの炎症を落ち着かせ、これ以上下がらないようにします。
多くは保険診療の範囲内で対応できます。強い症状が長く続き、どうしても改善しない場合には神経の処置を検討することもありますが、これは最終的な選択肢です。まずは歯を残す方向で治療を進めます。

こんな症状は早めに受診を

次のような場合は、知覚過敏以外の原因が隠れている可能性があります。早めに歯科医院を受診してください。
  • しみる症状が2週間以上続いている
  • 何もしていなくてもズキズキ痛む、夜に痛みで目が覚める
  • 熱いものもしみるようになった
  • 特定の1本だけが強くしみる(歯のひび割れの可能性があります)
  • 歯ぐきが腫れている、押すと痛い、血や膿が出る
  • 詰め物・かぶせ物をしている歯がしみる

よくあるご質問

Q.知覚過敏は自然に治りますか?
A.軽いものであれば、唾液のはたらき(再石灰化)とセルフケアで落ち着くことがあります。ただし、強すぎるブラッシングや食いしばりといった原因が残っていると、繰り返し症状が出ます。

Q.知覚過敏用の歯みがき粉は、どれくらいで効きますか?
A.2〜4週間ほど続けて実感される方が多いです。使ってすぐ変化がなくても、しばらく継続してみてください。

Q.しみる部分は磨かないほうがいいですか?
A.いいえ、逆効果です。汚れが残ると歯ぐきが下がり、症状が悪化します。やわらかい歯ブラシでやさしく磨いてください。

Q.歯医者で「むし歯はない」と言われたのに、しみます。
A.知覚過敏のほか、歯のひび割れ、歯ぎしり、歯周病などが考えられます。原因によって対処法が変わりますので、症状の出方をお聞かせください。

Q.子どもでも知覚過敏になりますか?
A.なります。生えたての永久歯はエナメル質が未成熟でしみやすく、また酸性の飲みものを頻繁にとるお子さまにも見られます。

日立市で「歯がしみる」お悩みはこばやし歯科クリニックへ

「冷たいものがしみるけれど、むし歯かどうかわからない」——そのまま様子を見ているうちに症状が進んでしまうことがあります。

こばやし歯科クリニックでは、視診・レントゲン・かみ合わせのチェックからしみる原因を見極めたうえで、必要な処置をご提案します。削らずに済むケースも多くありますので、まずはお気軽にご相談ください。

土曜日も診療しており、広い駐車場を完備しています。国道6号沿い・川崎病院向かいで、お車でも通いやすい立地です。

医療法人SHPI こばやし歯科クリニック
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