この記事の公開日: 2026年7月12日


この記事の著者
こばやし歯科クリニック|歯学博士 小林孝誌
東京歯科大学大学院卒業し博士号を取得。インプラント専門医を持ち、地元の日立市で地域に貢献できるように研鑽を積む。口腔ケアやホワイトニングが好きで実体験を皆様にお届け。
「熱中症予防にスポーツドリンクを毎日飲んでいる」「子どもが部活のたびに1本飲み切る」――夏によく見かける光景ですが、実はこの習慣、むし歯のリスクをぐっと高めてしまうことがあります。熱中症対策はとても大切。だからこそ、お口の健康と両立できる”上手な飲み方”を、茨城県日立市のこばやし歯科クリニックがわかりやすく解説します。
この記事のまとめ
- スポーツドリンク500mlには角砂糖5〜8個分の糖分が含まれています。
- 糖分だけでなく酸性度も高く、歯の表面が溶けやすくなります(むし歯・酸蝕症のリスク)。
- いちばんのリスクは、少しずつ何度も飲む「だらだら飲み」です。
- ふだんの水分補給は水・麦茶を基本に、スポーツドリンクは場面を決めて上手に使い分けましょう。
目次
なぜ夏はむし歯のリスクが高まるのか
夏は、甘い飲み物や冷たいアイスを口にする回数が自然と増える季節です。むし歯は「糖分の量」だけでなく、糖分がお口の中にとどまっている時間の長さに大きく影響されます。
飲食のたびにお口の中は酸性に傾き、歯の表面のミネラルが溶け出します(脱灰)。通常はだ液の働きで元に戻りますが(再石灰化)、飲む回数が多いと修復が追いつかず、むし歯が進行しやすくなります。汗をかいてだ液が減りがちな夏は、この修復力も落ちやすくなるのです。
スポーツドリンクの糖分と酸性度
一般的なスポーツドリンクには、100mlあたり約4〜6gの糖分が含まれています。500mlのペットボトル1本なら約20〜30g、角砂糖に換算して5〜8個分にもなります。
さらに見落とされがちなのが酸性度です。歯の表面(エナメル質)はpH5.5以下で溶け始めるとされますが、スポーツドリンクの多くはpH3.5前後と、この基準を大きく下回ります。糖分と酸の”ダブルパンチ”こそが、スポーツドリンクの落とし穴です。
主な飲み物の糖分・酸性度を比較
| 飲み物 | 糖分(500mlの目安) | 酸性度(pHの目安) | むし歯リスク |
|---|---|---|---|
| 水・麦茶 | 0g | ほぼ中性 | ほぼなし |
| スポーツドリンク | 約20〜30g(角砂糖5〜8個分) | 約3.5(酸性) | 高い |
| 経口補水液 | 約10〜13g | 約3.5〜4(酸性) | 中(飲み方に注意) |
| コーラなどの炭酸飲料 | 約50g以上(角砂糖12個分以上) | 約2.2〜2.9(強い酸性) | 非常に高い |
※数値は製品により異なります。一般的な目安としてご覧ください。
熱中症対策として医療現場でも使われる経口補水液も、実は酸性で糖分を含みます。「体に良い=歯にも安心」ではない点にご注意ください。

いちばん危険なのは「だらだら飲み」
同じ1本でも、飲み方によってむし歯リスクは大きく変わります。次のような飲み方は要注意です。
- ペットボトルを持ち歩き、少しずつ何度も飲む(だらだら飲み)
- 部活動や外遊びの間、水分補給がずっとスポーツドリンク
- 寝る前や夜中に飲む(就寝中はだ液が減り、最もむし歯になりやすい時間帯です)
- 小さなお子さまにマグやほ乳びんで長時間飲ませる
- のどが渇いていなくても習慣で飲んでいる
熱中症対策と両立!むし歯を防ぐ6つの工夫
- ふだんの水分補給は水・麦茶を基本に:日常の水分補給に糖分は必要ありません。
- スポーツドリンクは「大量に汗をかく場面」に限定:長時間の運動や炎天下での活動など、必要な場面で活用しましょう。
- 時間を決めて飲み切る:同じ量なら、だらだら飲むより短時間で飲むほうが歯への影響は小さくなります。
- 飲んだ後は水やお茶をひと口:お口に残った糖分と酸を洗い流しましょう。うがいも効果的です。
- フッ素配合の歯みがき剤でケア:フッ素は再石灰化を助け、酸に強い歯をつくります。
- 定期検診でチェック:初期のむし歯は自分では気づけません。フッ素塗布やクリーニングで予防効果を高めましょう。

お子さまの夏休みは「検診のチャンス」です
部活動・外遊び・夏祭りと、夏はお子さまの糖分摂取がどうしても増えます。特に部活動中の水分補給がスポーツドリンク中心になっているお子さまは、休み明けの検診でむし歯が見つかるケースが少なくありません。
学校の歯科検診で「要受診」と言われたままになっていませんか?時間に余裕のある夏休みは、むし歯のチェックと治療、フッ素塗布のちょうど良いタイミングです。小児歯科のページもあわせてご覧ください。
むし歯だけじゃない「酸蝕症」にもご注意
酸性の飲み物を頻繁に口にしていると、むし歯菌とは関係なく酸が直接歯を溶かす「酸蝕症(さんしょくしょう)」を招くことがあります。歯がしみる、薄くなる、先端が透けて見える――そんなサインが出たら要注意です。
なお、酸性の飲み物を飲んだ直後は歯の表面が一時的にやわらかくなっています。直後のゴシゴシみがきは避け、まず水でうがいをして、少し時間をおいてからみがくのがおすすめです。
よくあるご質問
Q.スポーツドリンクは飲まないほうがいいのですか?
A.大量に汗をかく場面では、水分と電解質を素早く補給できる有効な飲み物です。「飲んではいけない」のではなく、場面を決めて短時間で飲み切り、その後に水をひと口——という飲み方の工夫が大切です。
Q.経口補水液ならむし歯になりませんか?
A.スポーツドリンクより糖分は少なめですが、酸性で糖分も含むため、だらだら飲めば同じようにリスクになります。必要な場面で適量を、が基本です。
Q.飲んだ直後に歯をみがいたほうがいいですか?
A.酸性の飲み物の直後は歯の表面がやわらかくなっているため、まず水でうがいをして、30分ほど時間をおいてからみがくのがおすすめです。
Q.子どもが部活で毎日スポーツドリンクを飲んでいます。大丈夫でしょうか?
A.練習中は水と使い分ける、飲んだ後にうがいをする、フッ素入り歯みがき剤を使うなどの工夫でリスクを下げられます。あわせて定期検診で早めのチェックをおすすめします。
日立市でむし歯予防・定期検診はこばやし歯科クリニックへ
「スポーツドリンクをよく飲むけれど、うちの子のむし歯は大丈夫?」「最近歯がしみる気がする」――そんなご心配は、我慢せずにご相談ください。こばやし歯科クリニックでは、むし歯のチェックからむし歯治療、予防処置(クリーニング・フッ素塗布)まで、お子さまから大人の方まで丁寧に対応します。土曜日も診療しており、広い駐車場を完備しているため、お車での通院も安心です。
まとめ
スポーツドリンクは熱中症対策の心強い味方ですが、糖分と酸性度が高く、だらだら飲みはむし歯・酸蝕症のもとになります。ふだんは水・麦茶、必要な場面でスポーツドリンク、飲んだ後は水をひと口――この使い分けだけでリスクは大きく下げられます。夏休みの機会に、ご家族そろって歯科検診でお口の健康をチェックしましょう。
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、診断・治療方針を保証するものではありません。予防方法や治療の要否は個々のお口の状態により異なります。詳しくは当院にご相談ください。
関連ページ
小児歯科|こばやし歯科クリニック – お子さまの歯科治療・フッ素塗布のご案内
むし歯治療 – むし歯治療の詳細はこちら
予防歯科・クリーニング – 予防処置・クリーニングのご案内
予約について – ご予約はこちら