この記事の公開日: 2026年10月13日


この記事の著者
こばやし歯科クリニック|歯学博士 小林孝誌
東京歯科大学大学院卒業し博士号を取得。インプラント専門医を持ち、地元の日立市で地域に貢献できるように研鑽を積む。口腔ケアやホワイトニングが好きで実体験を皆様にお届け。
「笑ったときに、入れ歯の金属のバネが見えるのが気になる」。部分入れ歯でもっとも多いご相談は、痛みではなくこの見た目のお悩みです。ノンクラスプデンチャーは、金属のバネを使わず、歯ぐき色の樹脂で固定する部分入れ歯です。装着していることに気づかれにくく、金属アレルギーが心配な方にも選んでいただけます。
ただし万能ではなく、向いている方・向かない方があります。この記事では、保険の部分入れ歯との違い、メリット・デメリット、当院の費用と治療の流れを、日立市のこばやし歯科クリニックがわかりやすく解説します。
この記事のまとめ
- ノンクラスプデンチャーは、金属のバネを使わず歯ぐき色の樹脂で固定する部分入れ歯。装着していることに気づかれにくい
- 金属を使わないため、金属アレルギーが心配な方にも選びやすい。薄くて軽く、違和感が少なめ
- 樹脂は経年で劣化するため、数年での作り替えや調整が必要。奥歯の広い欠損や強い噛み合わせには金属床の入れ歯を提案
- 当院の費用は片顎1〜2歯88,000円・3歯以上または両顎220,000円(自由診療・税込)。通院2回・約3週間で完成
目次
ノンクラスプデンチャーとは?金属のバネを使わない部分入れ歯
ノンクラスプデンチャーとは、残っている歯に掛ける金属のバネ(クラスプ)を使わず、歯ぐき色の弾力のある樹脂で固定する部分入れ歯のことです。「クラスプ(バネ)がない」という意味で、ノンクラスプデンチャーと呼ばれます。
保険の部分入れ歯では、残っている歯に金属のバネを掛けて入れ歯を固定します。このバネが前歯や小臼歯に掛かると、笑ったときや会話のときに金属が見えてしまいます。ノンクラスプデンチャーは、バネの役割を歯ぐき色の樹脂に置き換えることで、入れ歯をしていることに気づかれにくい見た目を実現します。
当院のInstagram(@kobayashi__dental)でもご紹介した治療です。この記事では、Instagramでは書ききれなかった詳しい内容をまとめました。
保険の部分入れ歯との違いは「バネ」

保険の部分入れ歯とノンクラスプデンチャーの一番の違いは、入れ歯を固定する「バネ」の素材です。上の画像は、どちらも奥歯2本を補う部分入れ歯の構造を示したイメージです。左は金属のバネで固定する保険の部分入れ歯、右は歯ぐき色の樹脂で固定するノンクラスプデンチャーです。
| 項目 | 保険の部分入れ歯 | ノンクラスプデンチャー |
|---|---|---|
| 固定方法 | 金属のバネ(クラスプ) | 歯ぐき色の樹脂 |
| 見た目 | バネが見えることがある | 入れ歯だと気づかれにくい |
| 金属アレルギー | 金属を使用 | 基本構造に金属を使わない |
| 厚み・重さ | やや厚く重い | 薄くて軽い |
| 修理・調整 | しやすい | しにくい素材がある |
| 耐久性 | 数年でゆるみ・摩耗 | 樹脂が経年劣化し、数年で作り替えが必要なことがある |
| 費用 | 保険適用(3割負担で数千円〜1万円台が目安) | 自由診療 88,000円〜(税込) |
なお、ノンクラスプデンチャーの中には、強度を補うために内部に金属のフレームを組み込むタイプもあります。どの構造が合うかは、欠損の場所や噛み合わせを診てご提案します。
ノンクラスプデンチャーのメリット
- 入れ歯だと気づかれにくい:歯ぐき色の樹脂が歯ぐきに溶け込み、笑っても金属が見えません。
- 金属アレルギーが心配な方にも:金属を使わない構造のため、金属アレルギーをお持ちの方や心配な方にも選びやすい入れ歯です。
- 薄くて軽く、違和感が少なめ:弾力のある樹脂で作るため薄く軽く仕上がり、装着時の違和感が少ない傾向があります。
- 残っている歯を削らない:ブリッジのように両隣の歯を削る必要がなく、歯を傷めずに欠損を補えます。
- 歯ぐきにやさしくフィット:樹脂のしなやかさで歯ぐきに沿い、食事中もずれにくい設計です。
ノンクラスプデンチャーのデメリット・注意点
ノンクラスプデンチャーは万能ではありません。当院では、次の点を必ずご説明したうえで選んでいただいています。
- 樹脂が経年で劣化する:柔らかい樹脂は、数年使ううちに変色・変形・ゆるみが出てきます。数年での作り替えや調整が必要になることがあります。
- 修理・裏打ちがしにくい:保険の入れ歯のように気軽に修理や裏打ち(内面の調整)ができない素材があり、壊れた場合は作り直しになることがあります。
- 噛む力が強い奥歯・広い欠損には不向き:樹脂はたわみやすいため、奥歯の大きな欠損や噛みしめの強い方では、入れ歯が沈み込んで噛みにくくなることがあります。
- 残っている歯や歯ぐきへの負担:樹脂が歯ぐきを覆う面積が広いため、お手入れが不十分だと歯ぐきの炎症や、支えになる歯のむし歯・歯周病のリスクが上がります。
- 保険が使えない(自由診療):費用は全額自己負担です。当院の費用は後述します。
ノンクラスプデンチャーが向いている方・向かない方
結論からいうと、ノンクラスプデンチャーは「前歯〜小臼歯の1〜2歯の欠損で、見た目を重視する方」にもっとも向いています。逆に、奥歯の広い欠損や噛み合わせの強い方には向きません。
向いている方
- 笑うとバネが見える位置(前歯〜小臼歯)に欠損がある方
- 金属アレルギーをお持ちの方、金属が心配な方
- 薄くて軽い、違和感の少ない入れ歯がいい方
- 隣の歯を削るブリッジや、外科処置を伴うインプラントは避けたい方
向かない方・慎重に検討する方
- 噛む力が強い奥歯の欠損、歯ぎしり・食いしばりが強い方
- 欠損の範囲が広い方(残っている歯が少ない方)
- 残っている歯がぐらついている、歯周病が進んでいる方
- 数年ごとの作り替えや調整が難しい方
該当するかどうかは、お口の状態を診て判断します。今お使いの入れ歯をお持ちいただければ、その場でご説明できます。
金属床の入れ歯との使い分け ― 当院の考え方
当院では、欠損の場所と噛み合わせで、ノンクラスプデンチャーと金属床の入れ歯を使い分けています。
- ノンクラスプデンチャー:前歯〜小臼歯の少数歯欠損で、見た目を最優先したいとき。
- 金属床の部分入れ歯:奥歯の欠損や広い範囲の欠損で、たわみにくさ・噛みやすさ・耐久性を優先したいとき。金属は強くたわみにくいため薄く作ることができ、食事の温度も伝わりやすい入れ歯です。
どちらか一方だけを勧めるのではなく、お口の状態・ご希望・ご予算をうかがったうえで、保険の入れ歯も含めた選択肢をご説明します。欠損の本数が多い方や、入れ歯の安定を強く望む方には、インプラントで入れ歯を支える方法(インプラントオーバーデンチャー)をご提案することもあります。
当院のノンクラスプデンチャーの費用と治療の流れ
当院のノンクラスプデンチャーの費用は次のとおりです(自由診療・税込)。
| 内容 | 費用(税込) |
|---|---|
| ノンクラスプデンチャー(片顎1〜2歯) | 88,000円 |
| ノンクラスプデンチャー(3歯以上・両顎) | 220,000円 |
| 参考:金属床 部分入れ歯(1〜6歯) | 275,000円 |
治療の流れは、通院2回・約3週間が目安です。
- 1回目:診査・型取り お口の状態を確認し、ノンクラスプデンチャーが適しているかを診断します。適応があれば、精密な型取りと噛み合わせの記録を行います。
- 2回目:完成・装着・調整 技工所で作製した入れ歯を装着し、噛み合わせや当たりを細かく調整します。
装着後は、慣れるまでに違和感や当たりが出ることがありますので、遠慮なく調整にお越しください。むし歯や歯周病の治療が必要な場合は、先にそちらを行ってから作製します。
主なリスク・副作用:樹脂の経年劣化による作り替え、修理・裏打ちのしにくさ、広い欠損や強い噛み合わせには不向き、清掃不良による歯ぐきの炎症や支えの歯のむし歯・歯周病。
※自由診療(保険適用外)です。症状により別途検査料・処置料がかかる場合があります。料金表はこちら。
ノンクラスプデンチャーを長持ちさせるお手入れ
- 食後は外して流水で洗う:入れ歯用ブラシで汚れを落とします。研磨剤入りの歯磨き粉は樹脂に傷をつけるので使いません。
- 入れ歯洗浄剤を使う:ノンクラスプデンチャーに対応した洗浄剤を使い、ぬめりやにおいの原因になる細菌を落とします。
- 熱湯・乾燥は避ける:樹脂は熱で変形します。熱湯消毒はせず、外している間は水に浸けて保管します。
- 就寝時は外す:歯ぐきを休ませ、残っている歯をしっかり清掃する時間を確保します。
- 定期検診で調整する:ゆるみ・変色・残っている歯の状態を確認し、必要に応じて調整します。
よくあるご質問
Q. ノンクラスプデンチャーは保険が使えますか?
A. 使えません。自由診療(保険適用外)で、当院では片顎1〜2歯88,000円、3歯以上・両顎220,000円(税込)です。保険の部分入れ歯も作製できますので、ご希望に応じてご説明します。
Q. ノンクラスプデンチャーはどのくらい持ちますか?
A. 使い方やお口の状態によりますが、樹脂は経年で劣化するため、数年を目安に調整や作り替えが必要になることがあります。定期検診で状態を確認しながらお使いください。
Q. 壊れたら修理できますか?
A. 素材によっては修理や裏打ちがしにくく、作り直しになることがあります。保険の入れ歯と比べて修理の自由度は低い点をあらかじめご理解ください。
Q. 奥歯にも使えますか?
A. 奥歯の1〜2歯の欠損であれば可能な場合がありますが、噛む力が強い部位や広い欠損ではたわみやすく、当院では金属床の入れ歯をおすすめすることがあります。
Q. 今使っている入れ歯から作り替えられますか?
A. できます。今お使いの入れ歯をお持ちいただければ、バネが見える位置や噛み合わせを確認し、ノンクラスプデンチャーが合うかその場でご説明します。通院2回・約3週間が目安です。
日立市でノンクラスプデンチャーのご相談はこばやし歯科クリニックへ

こばやし歯科クリニックは、茨城県日立市大和田町の国道6号沿い、川崎病院向かいにある歯科医院です。土曜日も診療しており、駐車場もございます。
ノンクラスプデンチャー、金属床の入れ歯、保険の入れ歯、インプラントで支える入れ歯まで、お口の状態とご希望に合わせて選択肢をご説明します。「今の入れ歯のバネが気になる」「入れ歯だと気づかれたくない」という方は、お気軽にご相談ください。
- 医療法人SHPI こばやし歯科クリニック
- 住所:茨城県日立市大和田町1883-1
- 電話:0294-52-6480
- 休診日:日曜・祝日
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